少し早い送別会

 思い起こせば10ヶ月前の去年の10月、勤め先の一つの大学の留学生課から電話をもらい、先日来日した留学生の1人が津軽三味線を習いたいと言っているので話を聞いてあげてほしい、と言われました。その留学生は、なんと私が受け持っている上級クラスの学生でした。で、話を聞いてみたら、母国ですでに2年くらい日本人の先生について津軽三味線を習っていて、この短期留学1年の間に本場である日本で腕を上げて帰りたい、との切なる希望をもっていることがわかりました。

 

そこで、彼を我がお教室へとつれてきて、師匠に引き合わせたところ、是非この教室で習いたいということで話が進みました。あれから、はや10ヶ月、彼が帰国する9月が近づいてきました。六段、旧節、新節と練習を積んで、だいぶ撥もたたけるようになってきて、リズムもよくなってきました。今はあいやを覚えているところです。

 

毎週顔を合わせますが、練習以外の話をあまりしたことがないので、帰国する前にささやかな食事会というか送別会をやろうということになり、師匠と、彼のことを知っている数人の仲間たちが集まりました。高校生の時から日本語と韓国語を趣味で勉強し始めて、また、新しい趣味として津軽三味線を始めたそうです。自宅から津軽三味線の先生の住む町まで2時間くらいかけて通って練習を続けたそうです。なんという根性。

 

帰国したら、あと少しで大学を卒業するそうなので、学業もしつつ、三味線も続けたいといってくれました。また、できれば日本で働きたいという希望も持っていて、JETプログラムに応募しようかな、と言っていました。外国の人が若いときから日本や日本語、日本文化に興味を持ってくれて、しかもそれを続けていてくれて、とても幸せなことだと感じました。

 

また、日本に帰って来たら一緒に練習しましょうね。