この「みっつ」を守って

通勤でよくバスを利用するので、どの停留所のときにどんな案内放送があるのかだいたい覚えてしまいます。


ある日、いつものとおり「振り込め詐欺」の撃退を呼びかける案内放送を聞いていたとき、「あれ?」と思いました。「‥‥このみっつを守って、振り込め詐欺を撃退しましょう」と言っているんですが、私には、その前の文章が、「ふたつ」に思えた。「うん? ぼんやり聞いてたから、聞き逃したのかな、、」その日はそのままやりすごしました。


何日かたって同じバスに乗ったとき、注意深く聞いてみました。

「見知らぬ人にはお金をわたさない。あわてず、家族に相談する。このみっつを守って、振り込め詐欺を撃退しましょう」と言っていました。あわてず、の部分を一つの文と考えると、みっつとも考えられないこともないですが、普通、違いますよね。やっぱ、ふたつだと思いました。


うーん。原稿を書いたり、直したりしているうちに、きっと元の文とは違ったものができてしまったんですね。


これって、文章を書くときにやってしまいがちなんですよね。これからAとBとCについて述べます。って始めるんだけど、原稿を書いているうちに、どれか一つ忘れちゃって、あとで見直すときには、内容だけに目がいってしまって、直し忘れちゃう。他人のことは言えません。


バス会社さんも、次の案内放送を録音するときには、きっと気がついて直すでしょう。私も、学生に作文指導するときには、注意します!